はじめに
前回は数十MHz帯の高周波ノイズを見てもらいました。この辺はマスタークロック、ビットクロック、さらにはデータから漏れて来たノイズだと思います。ノイズにはこの辺の高周波の他に、100KHzくらいの可聴帯域の少し上にもノイズが発生しています。ここでは100KHz帯域のノイズを見ていきましょう。
測定方法
測定方法1KHzのサイン波(-15dB)を再生し、デジタルオシロのFFTスペクトルを観察しました。前回の「CDプレーヤーの音質と特性(4)」では数十MHz帯の高周波ノイズを見ましたが、この辺はクロックあたりの漏れと考えられます。ここでみている250KHz帯のノイズは、信号処理過程で出た副次的な成分で、本来フィルターで取り除かれているべきものと考えられます。
可聴帯域外ノイズスペクトル一覧
1. CDP-555ESD
特に馬鹿でかいピークはないのですが、100-250KHz帯に小さなピークがたくさんあります。またベースライン(基底)も全体的にやや高めです。
2. 50万円のCDP
このプレーヤーは 165KHzと225KHzにはっきりしたピークがあります。
3. DV-600AV
ピークはないのですが100KHzを越えたあたりからややこんもり盛り上がっています。高域が濁ってい聴こえることと関係している様に思います。
4. DAC-FA0
特にピークは見当たりません。また高域でもベースラインが低く抑えられておりいい特性です。
以上が比較的低い帯域の高周波ノイズでした。結構出ているものです。この辺のノイズスペクトルと音質にはやはり相関があって、ノイズが多いほどうるさい音になっています。また前回説明した数十MHzの高周波ノイズと(あるないという意味では)相関はありますが、機種によってはノイズの有無が帯域によって異なっています。
いずれにしても可聴帯域外のノイズは無い方がもちろん良いのです。この辺のノイズが多いと中高音がうるさく、何か付帯音が付いた様な音質になります。その傾向はアンプ・スピーカーなどを良くすればするほどはっきりわかるようになるので(気になってくるので)始末に悪いのです。
弊社のDAC-FA0はこの辺のノイズ対策を入念に行っています(たまたまノイズが無いのでは有りません)。 (2011/02/15)