3月 01 2010

これだけは知っておきたい音響工学(その5) -スピーカーセッティングへのこつ-

Published by mail at 10:48:00 under オーディオのテクニック, スピーカー

これだけは知っておきたい音響工学というタイトルで書き続けてきたら、ちょっと内容がそれてきた感がないでもないが、興味深いスピーカーセッティングのコツがFocal社スピーカーの取扱説明書に書いてあったので紹介する。

ちなみに弊社ではフォーカルのCHCHORUS 826V を購入し常用スピーカーとして使用してる。この会社のスピーカーは本当に綺麗な音がするので相当なノウハウのある会社だと勝手に思っている。

その取り説の内容だが普通のスピーカーの取り説よりもちょっと詳しくセッティングの要領が述べられていた。主な項目は4つあり以下の通りである(図面は取り説から抜粋しました)。

非常にわかりやすい絵なので解説の必要もないと思うが・・・・。
(1)試聴位置は正三角形の頂点より後方で

試聴位置

やっぱり後ろで聞きなさいと書いてある。
(2)試聴高さはツイーターより高く

試聴位置は高めに

一般にSPの軸上聞けと薦める場合が多いが、それより上のほうがいいらしい。

(3)コーナー、壁からは離して設置する

コーナーセッティング  「コーナーに近いのはだめ、またなるべく後ろ壁からも離す方が良い」(「」内は取り説の英語の記載内容を私が要約したものです)

とある。理由は低音が3dB、(壁2つで)6dB増強されるからと理由も明快。ただしこれこのスピーカーだから言える事で、貧弱なウーハーの場合は壁やコーナーを利用しないとバランスが取れないことも多いと思う。この826Vは特に低音がぶんぶん過剰と思えるくらい出ているのでこれはその通り。(ただしこの取り説の内容はすべてのシリーズ共通のものなので小SPではドウなの?と思ってしまうが)。

(4) 後壁、左右の壁、床の距離の最適値

距離の関係 「SP中心から最も近い壁までの距離をA,その次をB、最も遠い壁をCとすると(すなわちA<B<C)、B*B=A*Cとなるのが理想的」

この記載、言っている意味はわかるがなぜそうなのか見当がつかない。シミュレーションを一応してみたが(シミュレーション自体が実態にそれほど合わないので当てにならないが)、上記関係にしても特に改善されなかった。フォーカル社は結構なノウハウ(おそらく+理論も)のある会社なので、何か根拠が有るのだと思う。

興味のある方は是非試してみると良いと思う。

(結果が出たらご一報いただけるとうれしいです。)

2 Responses to “これだけは知っておきたい音響工学(その5) -スピーカーセッティングへのこつ-”

  1. 2496on 02 3月 2010 at 17:27:02

    面白く読ませていただきました。
    やはりこういったセッティングはスピーカーによって大きく異なると思います。
    モニタースピーカーで有名なGenelec社の小型スピーカーの場合、以下のような
    細かなセッティングガイドが為されています。
    http://www.genelec.com/documents/other/step_by_step.pdf

    中でも非常に面白いのは壁から1〜2.2mは避けるということ。
    2.2m以上の距離が取れないなら5cm以上なら近いほうが良いというのは
    一般的なオーディオの常識とは大きく乖離しています。
    リアバスレフによる低域の干渉が原因のようですがリアバスレフ式のブックシェルフで
    あっても普通はこのような指定がされていることはまず無いと思います。

    こういった手法が可能なのはアンプ側のディップスイッチが有効なアクティブモニターならでは
    なのでしょうが、スペースの確保と低在波の抑制を同時に行うにはなかなか有効な手段だと感じます。
    高性能なトーンコントロールがあればパッシブであっても、と考えずには居られません。http://www.genelec.com/documents/qsg/QS8040a_8050a.pdf

  2. mailon 03 3月 2010 at 9:19:38

    コメントありがとうございます。

    Genelec社のセッティングガイドは私のコラム「これだけは知っておきたい音響工学(その2) -反射による干渉効果-」(http://www.audiodesign.co.jp/blog/?p=263)といっている事の原理は同じですね。ただGeneric社の主旨は40-80Hzの低域がへこまない様に考えられているのに対し、私のコラムでは中低域(100-200Hz)がへこまない様に考えているところが若干違いますが。

    下手な距離に離すより壁につけたほうが言いというのはその通りというか、SPを壁に埋め込んでフラットバッフルにするのがあらゆる意味で音響的にベストなのは明らかです。

    そもそもSPは壁から離すと良いという事自体何の根拠も無く、反射波の干渉による周波数特性のうねりの周波数を変えているだけだからです。

    また、SP後ろの壁だけでなく、試聴者の後ろの壁も同じ効果(弊害)があります。

    さらに言うと、日本のアンプは壁から中途半端なところに置いたSPシステムがバランスよく聞こえる様に変なチュウーニングがされているものが標準となっているような気がします。

    イコライジングでも修正しきれませんし、試聴位置が変わったときにイコライジングが逆効果になるので始末が悪いです。

    この辺は再生音の良し悪しに一番効くところ出だと思います。

    今後ともよろしくお願いします。

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