Archive for 5月, 2008

5月 28 2008

アースとアースループの違い、わかりますか?(その4 アースループの解決策)

前回アースループの実例を紹介しましたが、今回はいよいよアースループの解決策を紹介したいと思います。アースループの解決策(改善策)には次の3つがあります。まずは簡単な方法から紹介していきます。

1.アースループの面積を小さくする。
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アースループがあるとアースループの輪内を通過する磁束の変化によ比例して電流が流れ、ハム等のノイズが発生します。アースループの輪の面積が小さければ拾ってしまう磁束の量も少なくなります。具体的にはアースループを形成する入力と出力ケーブルを束ねてしまうのです。機器の接続端子の配置にもよりますが、これだけでハムなどは激減します。この方法はレコードプレーヤーの出力をプリアンプのPhono端子に接続する際にも有効です。Phono専用のシールドケーブルではなく、通常のシールドケーブルをPhono用に流用すると、しばしばハムが発生することがあります。その場合は左右のケーブルを束ねるだけでSNが良くなります。まあ安物のシールドケーブルなどは最初から左右くっついていますので問題ないのですが、高級ケーブルで曲がりにくいものなどは自然に左右広がったりしますから要注意かもしれません。

2.アースループを形成するケーブル全体をシールドしてしまう
amp-conne-earthloopres3.gif
2つめの方法はアースループを形成している入力・出力のシールドケーブル全体をシールドしてしまうことです。具体的にはたとえばアルミホイルなどをシールド線全体を覆うように巻き、アルミホイルをクリップ付電線などでアルミホイルをシールドしてしまうのです。こうすると基本的にアースループは消滅します。厳密に言うとアルミホイルでは静電シールドで電磁シールドにはならないのですが、実際にやってみると効果があります。(私がもっぱら試験したのはPhono入力を利用した方法です)。

3.アースループそのものを除去する。
amp-conne-earthloopres2.gif
アースループが問題となるのはアースループができたからですので、このループを無くすのが本質的な解決策です。すなわちシールド線の入力・出力どちらかのアース線の接続を切ってしまうのです。この手法はプロの音響機器の取り扱い手法のなかで「グラウンドリフト」という呼び方で知られている様です。シールド線のアースを切っても一箇所でアースに接続されていますので問題ありません、というよりもこちらの方がまともなのです。
ただし、この手法には危険な面があります。シールド線のアース線をカットしたケーブルを通常のアースループを形成していない機器の接続に間違って使用すると、電位が不定となりとてつもないノイズを発生したり、機器の破壊につながったりします。
この危険を避けるための手法もあるのですが、ここでは紹介しないことにします(ノウハウということで・・・・)。

また、アース線の接続をカットするという手法を意味もわからず拡張すると、絶対やってはならない接続方法になります。信号ケーブルのアース線を通じてアースが接続されていない状態、たとえば電源ケーブルのアース線で機器が接続されている場合、信号経路のアースは電源ケーブルのアース(+シャーシー)を通じて取ったことになり、音質的には最悪の状態になります。実際にあるホームページでこの辺を混乱して実験しようとしているのを見たことがあります。

以上アースループの解決策について説明してきましたが、アース・アースループの問題というのは、奥深く難しいテーマです。そのくせこの点についてオーディオ的見地から解説したものは非常に少ないのです(というより無い)。
またアンプの教科書にもほとんど書いてないので簡単に勉強することもできません。この辺について面白い話があったら教えて下さい。

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5月 16 2008

アースとアースループの違い、わかりますか?(その3 これが本当のアースループ)

これまで、アースについての基本を考えてきましたが、本当に怖いのはアースループです。アースループというのは単純にアースすることではなく、またアースを余計につなぐ多重アースでもなく、本当にループになっているアースです。今回はアースループができるケースについて解説します。

おさらいですが前回の「アースとアースループの違い、わかりますか?(その2:多重アース)」で説明した、電源コンセント(のアース線)による余計なアースは「多重アース」であってアースループではありません。今回説明するのが本当のアースループです。多重アースの場合余計なアースをしないほうが良いというのは事実ですが、インパクトは小さく致命的ではありません。私が実験したところ、電源ケーブルのアース線を接続したときに、ノイズが5%ほど増えることが観測されましたが、聴感上検知できるレベルではありません。

さてオーディオ機器の接続において、信号ケーブルを必然的に行きと帰りで2本接続しなければならない場合があります。プリメインアンプにレコーダー、あるいはグラフィックイコライザーを接続する場合、オーディオアナライザー(発信器+歪率測定器)などでアンプの特性を測定する場合などです。こういった使い方の場合原理的に本当のアースループが発生します。
たとえばプリアンプに録音機やグラフィックイコライザーなどを接続する場合こうなります。

amp-conne-earthloop.gif
うす緑で示した面積がアースループになります。アースループと普通のアースをつなぐ事の決定的な違いは信号線のアースが出て行った後、もう一度戻ってくるかどうかです。

他にもオーディオアナライザー(発信器と歪率計が同一のシャーシーにはいっているもの)でも同様の現象が起きます。

amp-conne-earthloop2.gif
オーディオアナライザーにはこのアースループの影響を防止する策が既にいくつかとられており参考になります。

こういった(ほんとうの)アースループの影響を除くにはどうすれば良いかはまた別途解説したいと思います。

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